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「わかるということ」

こどもの国語ドリル問題から。
“報告”について正しい答えとは。①見出しをつけて、わかりやすくしている。②話し合ったことをくわしく書いている。③ないようごとに感想をかいている。④かじょう書きにしてならべている。こどもの回答は②③。いやいや違うよ。逆でしょ①④だよ、と言うのは簡単ですが、どのように説明したらわかるのだろう…。「要点を簡潔に」と言っても「ようてんって何?」と言われてしまう。
算数も、難しくなってきています。四則演算の時代は得意げに教えていたのに、通分?、約分?、うん十年ぶりに聞いた単語にうろたえつつ、ぎりぎり答えることができても、教えるとなると焦る。小学校の先生は凄いです。何一つ分かっていない人に分かりやすく説明する理解させる、なんてすごい技です。
「わかる」「理解する」って何だろう。
『バカの壁』で有名な養老孟司先生の本。『ものがわかるということ』を読みました。解剖学者としての現実的な観点で説明してくれる内容です。


知識や教養は身体で覚えるものであり、反復が大事。学習とは身につくことで身体を伴ってわかること。人は認められたい時、個性を探そうとし「自分探し」などと言う事もあるが、そもそも人は常に変わるもので探しようがない。頭でインプットしたこと、心で感じたことで身体は変化しそれ自体が個性であるとのこと。教育に個性を求めることに警鐘を
鳴らしています。また、「人」と「情報」を対比し、人は変わってゆくものなのに、情報は変わらない、とも仰っています。
「わかる」とは奥深い。人の体験と自分の体験とは違う、体験が違う人、身体が違う人に、自分と同じ理解を求めることは難しい、そして情報はすぐに陳腐化してしまう可能性があるという前提が必要ですね。

さて、子供にどう教えるか…。やっぱり難しいです。

2023.12.2  おばら

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