丹野智文さんの実体験に基づく小説で、もうすぐ映画公開されます。
丹野さんは、車のトップ営業マンだった39歳の時、若年性アルツハイマー型認知症と診断されましたが、10年たった今も、認知症当事者として仲間とともに認知症の正しい理解の普及、そして苦しい思いをしている当事者のために講演会や相談会を開いておられます。
数年前、ご本人にお会いできる機会に恵まれ少しだけお話をしましたが、素敵な方でした。認知症の方が社会に対して何を求めているのか…。それは、ごくごく普通のこと。認知症と診断された日を境に偏見や同情や差別の目にさらされ、選択権を奪われ、出来ることも取り上げられてしまうのではなく、必要な助けを得ながら自分らしく希望をもって生活したいということです。
当事者の方、支援者の方々のスローガンは「認知症になっても人生終わりじゃない」「認知症と共に生きる社会の実現」です。
先日、認知症基本法が可決されました。正式名称は「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」、“共に生きる”が入っています。丹野さんはじめ当事者の方々や支援者の方々が地道に活動してきた結果、社会が動いたのだと思います。
まだ理念の段階ですが、これから自治体の施策にも影響し、良い意味で変わっていくことが楽しみです。
2023.6.17 おばら