コロナウイルスが蔓延する前は、年末に府中各所で商店会の歳末大売り出しの福引きがありました。最低でも箱ティッシュがもらえるので、1年間分の箱ティッシュはここで賄う、なんて強者の主婦もいました。
2018年の1等は往年のアイドル歌手のコンサート。演歌歌手のコンサートが続く中、珍しく石野真子・浅香唯・松本伊代の登場でした。
なじみの中華料理屋さんで、おかあさんが「家族が行けないから、よかったら行っておいで」と譲ってくれたチケットで府中の森芸術劇場に出かけた私は、とても素敵な1曲に出会いました。
石野真子が歌う「金木犀の香るころ」。初めて聴く曲ですが、やさしく軽やかなメロディが大好きになりました。
YouTubeで何度も聞き返すうち、今度は歌詞の世界観に魅了されました。金木犀の垣根がある家の家族の風景から始まり、金木犀の花のひとつひとつを星に見立てて、ひとつひとつの家族、一人一人が星のようなもので、地上に煌めく星たちなんじゃないか…と歌は続きます。
さりげなく小さな花、気づかないほど小さな存在だけれど、きらきら光ってる大切なもの。
これは訪問介護の応援歌なんじゃないか?小さくきらきら光るものに向かって、さりげなく関わることへの応援歌じゃないか?
自転車に乗りながら、歩きながら、口ずさむ大切な歌になりました。
そんな私が「金木犀」という名の職場で働くことになったのは、おかあさんが導いてくれたご縁のように感じています。
おかあさん、ありがとうございました。
2022.4.9 こしごえ