夏の休日、恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館に行ってきました。
恵比寿ビールの聖地にオシャレな商業空間ができる、行ってみたい!と思ってから、すでに30年近くが過ぎてしまったようです。
お目当ては10代の頃、サーカスの写真を見てビビビッと来てからの憧れの人、本橋成一の写真。
今回はロベール・ドアノーと同時展示で「交差する物語」と題されています。
どちらも同時代の作家で、サーカス、炭鉱、駅、農場など同じようなテーマ、それも人間に視点を置いた写真に取り組んでいることに「気づき」があっての写真展です。
こうした「気づき」をセレンディピティと呼ぶことがあり、そちらをテーマとした展示も同時開催されていました。
普通なら見逃してしまうあたりまえの風景、家具やポスター、動物、公園の遊具。
そうしたものに「何か」を感じて写真で切り取る、並べる。
それが見る人それぞれの「気づき」に繋がる、それをセレンディピティと呼んでみよう、という企画展です。
経済や学問の世界では、成果に繋がらなければセレンディピティと呼ばないようですが、アートや福祉の世界なら「心が豊かになる」「元気になる」だけで十分セレンディピティだと思うのです。
心が安定して元気。その難しさとありがたさを身にしみて感じる毎日です。
2023.9.2 こしごえ