先週3月13日にアップされた小原さんのブログを拝見させて頂きました。
小原さんが昨年入社されて間もなくして3月11日になりました。石巻ご出身という事を伺っておりましたので、会話の中で東日本大震災の話をしているうちに小原さんが悲しい表情をされましたので、お辛い事と察し東日本大震災のお話は控えさせて頂きました。今年の3月11日もあえて控えさせて頂きましたが、その2日後の13日の小原さんのブログにより、小原さんの故郷を思う気持ち、多くの方に感謝されていることを知りました。小原さんの教訓を思い出し…というお言葉から私がボランティアとして支援させて頂いた事を少しお話したいと思います。
東日本大震災から1カ月半後、宮城県にある坂総合病院のボランティア活動に参加しました。街にはがれきが残され、建物の鉄骨の中に車が2、3台重なり、電柱は倒され…。現実とは思えない状況でした。
私は病院の先生や看護師さんと十数名のボランティアの方と一緒に避難所を回り、淡路大震災の時に被災した方々に大変喜ばれたという足浴(足のみをお湯につけて温めながら洗うこと)をしながらお話を伺いました。皆さんが何日も入浴できず冷たい足をされていました。「気持ちがいいね。」「ありがとう。」「どこから来てくれたの?」と涙ながらに声を掛けてくださった事を忘れる事はできません。
避難所の様子は、屋外にはペットのおうちが並び、自衛隊の車や自家用車がところ狭しと止まっていました。避難所の入り口にはいろんな掲示物が貼られていました。また食べ物、飲み物、衣類、日常生活用品が置かれ、誰でも直ぐに受け取れるようになっていました。室内の個々のスペースは大変狭くプライバシーは守られず大変な生活であったでしょうが、皆さんが全国から届く支援を感謝されていました。
ボランティアとして自分の食事や水分は準備しましたが、坂総合病院ではボランティアの受け入れ態勢は整えられていて菓子パン、お菓子等を用意して下さっていました。夜は坂総合病院の廊下をお借りして持参した寝袋にくるまって休みました。またシャワー室まで貸して下さいまして、大変の中、ボランティアの事を大切に考えて下さっていたと10年前を思い出しました。
今年も2、3日前から桜が咲き始めました。季節が移り月日が流れ、記憶は薄れていきます。私たちの出来ることは、生活環境が変わりご苦労を重ねている方に心を寄せて、忘れることの出来ない記憶として後世までつないでいくことと思います。
2021.3.20 のむら