父の机にあった「ノストラダムスの大予言」。小学生低学年の頃、これを読み、しばらく死の恐怖に取りつかれました。世紀末に恐怖の大王が下りてきて、人間が皆滅亡してしまう。平和な世の中で一人で死んでいくのがよいのか、それとも大勢の人たちと一緒に滅ぶのがよいのか?どっちが怖くない?そもそも死ぬってなんだろう?眠ってしまうと、その後の記憶はないのだから、死ぬってそんな感じかな?怖い夢を見て、夢だとわかっているのに起きられない。そんな感じかな?もうそうなると、眠るのが怖くなり、なかなか眠れない夜が続きました。
身の回りでいちばん「死」の近くにいると思われる祖母に、思い切って聞いてみました。「死ぬのは怖くない?」信心深く、毎朝毎晩仏壇の前に座っていた祖母は「ご先祖様が迎えに来てくれるから大丈夫」といいます。だったら、おばあちゃん、私のこと迎えに来てくれる?と聞くと、祖母はいたずらっぽく、「死んだことがないからわからない」と答えました。
数年後、私が高校生か大学生の頃、祖母がいつ亡くなるかもしれない、という段階で、祖母の隣に布団を敷いて眠り、異変があれば知らせるようにと言われました。夜中に目が覚めると、窓から祖母の寝ている方向に向かって、何か圧力のような、重い空気の塊のようなものが押し寄せてきました。あれがいわゆる「お迎えが来た」ということなのかもしれません。
幸いその晩は、「何か」が祖母を連れ去ることはなく、今後についての情報提供で終わったようでした。
祖母が亡くなって40年ぐらい経っており、私はちゃんとしたお墓参りも信心もしていなくて、きっと祖母には見つけてもらえないだろうなと不安に思っています。
先日見た怖い夢は、死んだ私を父も祖母も、私と気が付いてくれないという夢でした。やっぱり今も死ぬのは怖いです。
2024.12.21 こしごえ