Aさんとの出会いは、27年前。
当時、私は訪問介護員として働いていました。
デイサービスの送迎前に、自宅周辺を一緒に歩く支援でした。
病気の進行と共に支援内容が変わり、デイサービスから帰宅した後の入浴介助になりました。デイサービスで他者に裸を見せたくないとの思いでした。
週2回のデイサービスが、時間の経過と共に増回されていきました。
身体機能も徐々に低下していき、週2回デイサービス利用時に入浴介助も始まりました。
ある時、私が介護支援専門員となり、Aさんの担当になりました。
家族関係が良好で、毎月のモニタリング訪問にはご主人様・長女様・次女様が同席され毎回Aさんについて色々な事を話し合いました。
息子様もいましたが、息子様とは会う事がありませんでした。
ある日の事です。
Aさんがデイサービスを利用中に、外出先でご主人様が事故にあい亡くなってしまいました。
一人では起居動作もできないAさん。独居は困難。
日常生活動作全てにおいて介助が必要で、平日毎日デイサービスを利用しながら夜は娘様が泊りました。
介護者不在の時間に転倒が始まり、ショートステイを導入しました。
デイサービスの利用回数よりショートステイの利用回数が増え、月29泊のショートステイ利用が定着。最終的に施設入所となりました。
施設入所後も、娘様たちは頻回に面会に来ました。面会の際には事務所にいる私にも声をかけて下さり、毎回近況報告を聞かせて下さりました。
私は転職し、Aさんの近況を知りません。
元気だった頃に、自宅は孫に譲ると聞かされた事があります。
訪問道中、Aさんの家を見ながら安否確認が出来ました。
先日、Aさんの家が更地に変わり不動産会社の旗が立っていました。
多分、亡くなったのだと思いました。
何十年と病気に向き合い、よく頑張りました。
やっとご主人様に会えますね。お疲れ様でした。
2025.8.16 みなみ